Varna2013参戦記録2
決勝トーナメント その1
今回の世界ベテランでは、各カテゴリー・各種目とも参加者の約80%が決勝トーナメントに進みます。
たとえばサッカーの試合では、予選リーグは各グループ内の順位で決勝進出チームを決めますよね。
私が学生のころはフェンシングも同じでした。当時は5人プールの3名上がりといった形式で
各プール内の順位で予選通過者が決まっていました。
今は(と言ってもかなり以前からですが)、
①勝率
②「突き数」=u被突き数」「
③突き数
と言った要素で参加者全員を並べて順位をつけます。
ですのでプール内で最下位であっても予選落ちするとは限りません。
まず、勝率が最優先されます。
7人プール(6試合)で1勝の選手は勝率16.7%です。
私のプールは1名棄権したので1勝の勝率は20%です。
0勝の選手は当然、私より下です。
7人プールで1勝の選手も私より下です。
0勝の選手が4人
7人プールで1勝の選手は8人でした。
私と同じ6人プールで1勝は私を含めて6人でした。
73人中60人上がりですので
6人プールで1勝の6人の中からひとりが予選落ちです。
私は下から2番目59位で予選通過です。
60位の選手と61の選手の差は「突き数」-「被突き数」、2本です。
私と60位の選手との差は「突き数」-「被突き数」、1本。
私と58位の選手との差は「突き数」-「被突き数」は同じで、突き数差が1本でした。
58位の選手は私に負けたスロバキアの選手でした。
オランダさんは30位、ポーランド選手はその1つ上、29位
スウエーデン選手は1位上がりです。
カナダ選手は48位です。
今年で5年目の参加、1勝するのに3年掛かった日本人選手が声を掛けてきます。
「一年目で上がれてよかった。ひとり棄権でラッキーだったね。」と。
「棄権してなかったら2勝していましたよ。」と返します。
もし、スペインの選手が棄権していなかったら、カナダ選手との試合も2戦目になって
戦い方が違っていたかも、という思いが頭を過ぎります。
なんであれ、qualifierです。ボーダーラインの上です。もう少し楽しめます。
決勝トーナメント その2
試合がはじまります。
私はここでひとつミスをしました。
相手を確認せずに試合に臨んでしまいました。
ドイツの選手であることだけは確認しましたが、予選の戦績や順位を確認しませんでした。
漠然と弱いもの同士が戦う「小山」の気分でいました。
実際は60名参加のベスト64トーナメント。予選1位から4位が一回戦シード。予選5位と60位が当たります。予選59位の私の相手は当然、6位の選手です。
試合が開始し、最初の得点が入るまでに50秒程度掛かりました。
クードゥブルです。双方に1点です。
この時、感じました。「こいつ、出てくる時、膝を突ける」と。
膝へのコントルは数ヶ月間、練習してきました。私の師匠が教えて下さるフェンシングは基本的には「先後の先」を取るフェンシングです。
ですが、膝へのコントルは最初からこれをやると決めて、出す技です。(一般論でそうだというのではなく、教えて頂いたやり方がその様なやり方だという意味です。)
「先前の先(対の先)」を取りに行く技です。
教えられて、違和感のあった技ですが国内予選でも、数回使っています。
決まりました。一点目から数秒後です。
2-1でリードです。
で、私の初めてのベテラン選手権はここでほぼ終わります。
直後に前腕への攻撃を矢継ぎ早に決められ、リードされます。それで切れてしまったと言うか、経験の浅さが出てしまいます。まだ試合時間が十分あるにも関わらず、まるで残り10秒のような攻撃を繰り返し、10-5で惨敗です。
60代の日本人選手が声をかけて下さいます。「2分半で10本は取られ過ぎだよ。もっと時間を懸けて楽しまないと。」と。「楽しまないと」を「頭使わないと」に読み替えるとより良く意味が通じます。
決勝トーナメント その3
私の最終成績は60位でした。
予選60位通過の選手が予選5位の選手に勝ったため、ひとつ順位を下げました。
他の日本人選手は2人、決勝トーナメントに残っています。
その内のひとりは私の初戦の相手だったカナダの選手に勝ち、ベスト32です。もう一方もトーナメント初戦を勝ち上がり、ベスト32です。残念ながら、そこまででした。
オランダさんも2戦目で、優勝した選手に当たり、ベスト32敗退です。
オランダさん「今日の内にオランダに帰ります。」
私「私はもう少しヴァルナに残ります。また、来年会いましょう。」
オランダさん「来年は南の島という噂だから無理かも。でも、会えるといいですね。」と言って、早々に会場を出ていきます。
昨晩は試合前夜ですので酒を飲んでいません。ビールを飲みたくなりました。売店で買ってひとり飲み始めます。日本円で100円程度てす。